こんにちは!生まれ育った荻窪の地で、ご自宅訪問型の動物病院を開くことができ、とてもうれしく思っています!
「病気がよくなるのがうれしいのと同じくらい、動物病院に通うのがつらい」。飼い主さんの言葉が、ご自宅訪問型の動物病院を開くきっかけになりました。当時、東京大学動物医療センターの駆け出し研修医だった私は、診断が付かなかった病気の原因が最新の知見と検査技術で判明し、治療が奏功していくのを素晴らしいと思っていました(今でもそう思っています)。でも、それにアクセスすることが、飼い主さんと犬猫の負担になっていることにも気づきました。
研修医終了後、ベトナムの日系動物病院でボランティアをしました。ベトナムの獣医学は主に産業動物の獣医学で、犬猫についてはベトナム語の教科書もまだありません。この病院にくれば、日本製の最新の検査機器もよく効く薬もあり、助かる命がたくさんありました。けれども、この病院に入ってくることができなければ、よい医療もないのと一緒でした。医療にアクセスがあること。それが一番大切だと実感しました。
こわがりで動物病院に行けない犬猫は、実はたくさんいます。飼い主さんは、何かあっても病院で診てもらえないと不安を抱えています。それならば、顕微鏡やエコーや血液検査機器を積んで、獣医師がおうちにうかがえばいいのではないか?
ご自宅訪問型動物病院では、ソファの上の犬猫は動かず、周りの状況が動きます。呼吸が苦しくても、同じ姿勢で飼い主さんのお膝に乗ったままそっとエコーを当ててもらいます。猫の採血は、袋に入れて飼い主さんに押さえてもらいながら実施します。決して、設備の整った動物病院と同じではありません。けれども、ご自宅訪問型動物病院にはできることがたくさんあり、私はこの仕事を始めてよかったと、心から誇りに思っています。
飼い主さんと犬猫にストレスのない治療を目指しています。心配事がありましたら、どうぞお話を聞かせてください。病気の動物を支えるのは辛いもの。飼い主さんの伴走者として、明るい気持ちで前に進めるよう、お手伝いしたいと思っています。